森は守るから「もり」で、林ははやすから「はやし」であると、以前、何かの本で読みました。
森は恐れ多く守り鎮める対象であり、木を切りながらも絶やすことのない状態が林です。雑木林や松林は里山と呼ばれ、この写真の界隈もかつては農家の生活林で人と自然が共生していました。
私が所沢に住み始めたのは1990年頃で、ゴミの不法投棄や乱開発が問題となり、丁度ナショナルトラストの市民運動が熱くなり始めていました。良い意味でも悪い意味でも里山の「もり」化が進行しています。
建物を、街を、根こそぎ奪っていった東日本大震災から間もなく2ヶ月。あの日以来、被災地以外でも感受性の疾患をきたしている人も多いと聞きます。
もう一度自分の足元を見据え、生活の細部を丁寧に見直して、地域と建築と人との有機的で暖かみのある関係を取り戻すための活動を少しずつ行っていきたいと思っております。
2011年5月5日