ピンク・フロイドで音楽を開眼したというノルウェーのピアニスト、ヘルゲ・リエン。
ヘルゲといえば寺島靖国が絶賛した「スパイラル・サークル」(2002年)の”Take Five”が名演ですが、いわゆる4ビートではない、しかし前衛的でもない。具象と抽象、無機質と有機質の中間のような不思議なバランスを保った美しい演奏が気に入っています。透明感溢れる鋭角的なピアノと深い凄味の利いたダーク&ヘビーのリズムセクションの対比がとても格好いい。アルバムタイトルHello TrollのTrollとは北欧の伝承に登場する妖精の一種ですから、ノルウエーの暗い空から雪氷が降ってくるようになイメージの1曲目でTrollが登場し、春の訪れの喜びが目に浮ぶような5曲目でダンスを踊ってるようなイメージなんでしょう。季節柄、最近仕事に入る前の導入曲として使っています。
2012年3月20日